デジタルとアナログの両輪で唯一無二を目指す
——吉田さんは入れ歯の技術が高い方だと伺っています。そういった特筆すべき技術をデンスマイルでどのように活かせると考えていらっしゃいますか。
元々は差し歯を専門にしていたのですが、これからの高齢化社会を考えたら入れ歯だと思い、技術を身に付けて自身のアナログラボを開業しました。
いまデジログという言葉があるのですが、私は元々アナログを専門でやってきたので、デジタルで手の届かない部分をアナログで補うことができると自負しています。アナログを経験していないと分からないような感性でデジタルを触れるので。実際に触って見るのとパソコンの画面を通して見るのでは、やはり違いが出ると思うんですよね。
——かなり最先端の技術をもったラボということで、これから入社される方も増えると思いますが。
今後枚方にある私のアナログラボをこちらに移転する計画があり、そうするとアナログとデジタルの技術に両方触れられるようになるので、歯科技工の技術を高める上でかなり魅力的だと思います。
私がデジタルに移行するときは本当に大変でした。ずっとアナログでやってきて、まったくパソコンを触ってこなかったので。訳のわからないエラーが起きたりして…そのストレスは非常に大きいものがありました。
そういった意味で、若いうちからアナログとデジタルの両方に触れていくと見える景色が違うのではないかと思います。アナログを蔑ろにすると、どうしてもデジタルに活かされてこない部分もあるので、アナログとデジタルを融合させていくのが大事だと思います。
——今後の目標をお聞かせください。
現状、ソフトがなかったり設計ができなかったりと、フルデジタルでの対応はまだ難しいんですよね。例えば部分入歯がそうなのですが、削り出しでは出来るのですがフルデジタルでは難しい。そのため、今はできないことはアナログでオーダーメイドで鋳造して金属で仕上げ、デジタルで作った樹脂の材料を合わせるなどして作っています。
いつか全ての工程をフルデジタルでできるようになったらいいなと思っています。デジタルとアナログの融合で唯一無二を目指し、対応できない症例をなくしていきたいです。